ロンブ・カトー著 『わたしの外国語学習法』

わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)

わたしの外国語学習法 (ちくま学芸文庫)

ひさしぶりに Lang-8 でドイツ語の勉強がてら日記を書き始めて(今回はかなり乗ってる!)、2年前の今頃留学が決まるか決まらないかの頃に黒田龍之介 著 『外国語の水曜日』を読んだのを思い出して、Amazon を見に行ったら黒田龍之介さんの新刊『外国語をはじめる前に』が出ていることを知って、その関連図書として出てきたのが『わたしの外国語学習法』でした。ちくま学芸文庫でこのタイトルで、↓ の紹介を読んだら、言葉好きは手にとらずにいられないでしょうよ!

14のヨーロッパ系言語と中国語、日本語を、ほとんど自国を出ることなく、純粋に学習という形で身につけてしまった女性の外国語習得術。25年間に16ヵ国語を身につけていく過程と秘訣をつつみ隠さず公開してくれるこの本は、語学の習得にあたって挫折しがちなわたしたちを、必ず目的の外国語は身につけられるという楽天主義に感染させてくれます。通訳者、翻訳者の入門書としても好適。

読み始めると、ところどころ読んだ記憶があって、もしかすると以前にも読んだのかもしれません ;)

著者が言葉の世界を散策するのを、時には勉強に仕事に苦しみつつも心から楽しんでいる様子がもりもり伝わってきます。言葉好きのはしくれ、ちょっと気持ちがわかるんですね、うんうん、と。よくある「XX日マスター」「〜せよ」といった本の即物的な感じや押しつけがましさはなくて、著者とともに言葉の世界の奥深さを楽しみつつ、ああ、こうやって勉強すればいいんだ、と素直にどう言語を学ぶか著者の体験から自分に合った方法を見つけることができます。

私は、「本を用意して読む」「単語単体ではなくてコンテキストとともに文章を書きとめる」「辞書を引く」を始めました。本は吉本ばなな 著 『キッチン』のドイツ語版を読むことにしました。「辞書を引く」を始めたのは、ちょうど翻訳者の母が最近はあまり使わないという独和辞典をくれて、いざやってみるとなかなかおもしろかったから。

はあ、言葉の世界の豊さっていいですね。しみじみ思います。

私は図書館で借りたので、爆速で読んでしまいましたが、これはちょっともったいなかった。仕事に行く途中、勉強や仕事の合間、寝る前など、小さな時間に一章ずつ味わうように読むと、特に今の時期、秋の気分にぴったりではないかなと思うのです。

秋の夜長の読書の友に … 少なくとも言葉好きにはぴったりなはずです。おすすめ。