ものを作ることの難しさ ー デザインしてプロトタイプ作ったあとに
2年前くらいから Mobile Garden なるガーデニングオブジェクトをデザインしています。
Mobile Garden - A Portable Garden for Your Life
オーストリアの大学にいた時に現在のデザインができて、大学のキッチン、家庭、シェアハウス、オフィスなどなどいろいろな場所で気に入ってもらえたので、もうちょっと大きい数で作ってみたいなと思うようになりました。
プロトタイプは文房具屋さんで見つけた書類入れを大学のレーザーカッターで切って作っていたのですが、改めて、これを大量に作りたいと思った時に、どこから材料を調達して、誰にどう切り出してもらえばよいのか皆目検討がつかない orz
まず材料調達。「楽天で見つかるだろう」と甘く考えていたのが大間違い。いくつか購入してみるも理想的な色と硬さの材料が見つからない…。アリババなどを利用して、中国の会社から買うというのが王道かもしれないのですが、できれば日本で作るものは日本で材料調達して加工することにこだわりたくて、それがまた困難に拍車をかけていたかもしれません。結局「そんなことあるんかい」という感じで材料を売ってくれる会社がみつかり、今日サンプル帳を受けとりました。その会社はウェブ検索ではみつからないんですね。教訓「何でも聞いてみるものだ」。
続いて加工なのですが、プロトタイプを作る時にはレーザーカッターで切り出していました。プロトタイピングにはいいのですが、レーザーカッターでポリプロピレンを切ると、熱して切るので切り口が溶けたようになったり、ところどころ焦げたような後がうっすらついたりしてしまいます。大学の施設で技術担当の方が親切にいろいろ試す手伝いをしてくれたのですが、日本で依頼しようとすると、ポリプロピレンは NG ということも。価格的にも大幅に予算オーバー。オーストリアでお世話になっていた芸術大学では、学生だとものすごく低価格でレーザーカッターを使うことができたのです。で、はてさて、どう切り出したものか。そもそもどんな工法があるのかもわからないぞ。で、たまたま文具会社で製品デザインをしている友人に「トムソン加工はどう?」と教えてもらって、加工法の名前を知る。ただ、一筋縄にはいかなくて、いろいろな会社にあたるも、「形状複雑すぎる」「個人の注文は受けつけていない」など、なかなか切り出してくれる会社がみつからず。検索 & 問い合わせの日々の中、ようやく加工してくれる会社がみつかりました。ほっ … でも材料調達を甘く見ていて、またプロジェクト進まなくなる … と。
これからまだまだサンプル帳から材料を選んで、材料を発注して、加工してもらう会社に材料を送って抜けるか試してもらって、抜き型を作ってもらって … 長い道のりがまっています。
ものを作るって当たり前ですが、デザインしてプロトタイプを作って終わりってわけではないんですね。ものを作ることの難しさを改めて感じています。プログラミングやアート作品の制作とはいろいろ違うところが多いけれど、新しいことを知るのは楽しいね :)