再読『モモ』

また『モモ』を読みました。経緯はこちら

モモ (岩波少年文庫(127))

モモ (岩波少年文庫(127))

今回は、時間を盗ませてしまっているというか、近視眼的な豊かさのために手放してしまっている私たちが描かれているように感じました。でも何が描かれている、何を学んだ、そんなことを考えることさえナンセンスなのかもしれない。

あと、物語の中に物語が出てくるところ、ファンタジーファンタジーしているところを読めなくなっちゃっていて、「ああ、私は大人になったのかも」と感じました。何で読めなくなっちゃったんだろう、「何を言おうとしているんだろう」「現実とのアナロジーで考えるとどうなのだろう」そんなことを考えるからかな。無心に楽しめていないというか、大人の思考みたいなものが邪魔するというか。少し悲しい気持になりつつ、無邪気に楽しめていない自分に気付けたのはよかったと思います。今度そんな状況になったら「何で私は「何を言おうとしているんだろう」と考えるんだろう」と考えられるから。

私は「要は〜」「要は〜」というのやライフハックが何となく大事なものを切り捨てているようで苦手ですが、知らず知らずのうちに自分もそうなっていたのかもしれない。本当の豊かさを近視眼的に無駄だと切り捨てていたのかもしれない。京都に移って、ヨーロッパで生活をして、会社員をしていた時よりも随分リラックスして、自分が大事にしたいものが見えてきたとは思っていたけれど、まだまだなのかも。

『モモ』を再読して、そんなことに改めて気付きました。いい本ですね。人生の中で折にふれて何回でも読みたいです。是非一読を!

■ 次の一冊

『モモ』に続いて読み始めました :) エンデのお金に対する考え方を紹介している本。

エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社+α文庫)

エンデの遺言 ―根源からお金を問うこと (講談社+α文庫)