『かもめ食堂』ー ものすごくあり得ないけれど読み心地のいい小説

かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

かもめ食堂 (幻冬舎文庫)

読書の秋です :) 無性に小説が読みたいのによい小説が見つかららない … もやもやしながら、何となく好きな幻冬舎の文庫コーナーで見つけたのがこれ、『かもめ食堂』。ユルフワ女子が好みそうな小説に見えなくもなく、敬遠しないでもなかったのですが、数日前に読んだ吉本ばなな著『キッチン』にひきつづき、食物な何かにひかれて手にとりました。あと外国が舞台っていうのもいいなと思って。

どんな話かというと、38歳の主人公サチエが宝くじに当って、フィンランドで食堂を開店することになって、おいおい、ないない … で、さらに小説ならではの珍事件が山盛り続きます。でも、サチエはさっぱりさわやかに正直に生きているいいやつで、多分現実に居たら38歳未婚負け組みとか言う性根悪い人も出てくるのだろうけれどそんなことは感じさせない世界で、サチエのところに結構ひどい境遇で日本人女性がふたりサチエのところに流れついても、問題を抱えたお客さんがかもめ食堂にやってきても、最後にはみんなかもめ食堂で笑顔を取り戻して、「人生って捨てたもんじゃないよね」「希望ってあるもんだな」と思えるのです。そんなどたばたを読み進めるうちに、現実的にあり得ないことなんて、まあどうでもいいやって気持ちになります。優しい気持ちにしてくれた小説に感謝こそすれ、現実的じゃない www とか文句を言うなんてね ;)

そんな読み心地のよい小説でした。見かけた方は是非どうぞ!

映画も見たいな :)

■ 余談: 幻冬舎文庫のこれもおすすめ!

案外、買い物好き (幻冬舎文庫)

案外、買い物好き (幻冬舎文庫)

村上龍さんの買い物本が文庫で出ていました。この本はハードカバーで手にとったのですが、おいしそうなものがあれこれ出てきてもう。。。晩酌の友、イタリア料理、おなかが好きます。小説執筆時の様子などにもふれていて、食べ物好きで村上龍小説が好きな人(私です…)には特におすすめ。

間接的に日本を嘆いているのか、鼓舞しようとしているのかって感じの村上龍さんの小説が大好きで、幻冬舎文庫からも出ています。好みはかなり別れると思いますが … ;)

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

五分後の世界 (幻冬舎文庫)

なんとも過激なタイトルの一連のエッセイ集、「すべての男は消耗品である」シリーズもおもしろいですよ。