塩野七生さんの『日本人へ』がおもしろい! 夏休みのお供に是非どうぞ

『日本人へ』には「リーダー篇」と「国家と歴史篇」の二冊があります。先々週リーダー篇を読み終えて、国家と歴史篇を読んでいます。

日本人へ リーダー篇 (文春新書)

日本人へ リーダー篇 (文春新書)

日本人へ 国家と歴史篇 (文春新書)

日本人へ 国家と歴史篇 (文春新書)

何がいいんだろう、数百年、千数百年前の人たちとつながる楽しさもあるのですが、痛快な塩野節がいいのだと思います。いい感じの皮肉など、文体というか雰囲気的にはOn, Off and Beyondのわたなべちかさんと似ている気がします。

どんなかというと、昨日、思わず笑ってしまった一節があったので引用してみましょう。クレオパトラも塩野さんにかかるとこの有様。

このカエサルが殺された後に、彼女は、カエサルの部下の将だったアントニウスに乗り換える。これが彼女の悲劇の始まりだったと、私は思っている。思いどおりにはなっても現実を読み取る力はない男との二人三脚では、早晩二人ともが共倒れするしかなかったのだから。
『日本人へ 国家と歴史篇』p31-32

現代の草食系、吉と出るか凶と出るか。って違うか ;-)

文春の連載で一話完結、一話あたりの長さも見開き数ページで気軽に楽しめるのもよし。夏のお供に、ローマとつながる一冊、痛快塩野節の一冊いかがでしょうか。

■ 余談

この本、新刊ピックアップで見つけたんですよね。。。また復活したいな。本の生態系の観察。思い立ったが吉日、本日お昼休みから始めようっと。