映画「シェーナウの想い」 ー 市民の手でエコ電力会社が作られるまでの記録

先週末、エコ〜るど・京大2013のグリーンフィルム上映会に映画を見に行ってきました。

中でも、ドイツ南西部のブラックフォーレストと呼ばれる地域にある人口2500人ほどの小さな町で、チェルノブイリでの原発事故後、原発依存を憂慮した市民がエコ電力会社(EWS)を作ってしまう … という「シェーナウの想い」を見たかったのです :)

ブラックフォーレストは留学中に何度となく訪れた地域で、ものーーーすごく美しい森林地帯です。といっても田舎で素朴で … というのとも違って、まあ、田舎ではあるのですが、多くの家の屋根には太陽光パネルが設置されていて、生活水準は高いまま自然と共生しているといった感じでしょうか。先進工業国でありつつ根は森の人たちなんだなと。

そんなブラックフォーレストが懐しかったのと、何か学ぶところがないかなと気軽な気持ちで見に行ったのですが、震災直後はあんなに放射性物質による汚染が云々と言っていた人たちの多くは今はもう福島で起きた原発事故のことをすっかり忘れて、当時起きた運動の多くもまとまらずに小さな文化祭で終わってしまったのかなあ … と悲しい気持ちになりました。もちろん今でも真剣に活動している人たちはいるのだろうけれど、シェーナウのような動きにはなっていない。シェーナウでEWSが始まるまでに10年の歳月が必要だったように、日本でもただまだ時間が必要なだけなのでしょうか。私は、ただ忘れつつあるだけのような気がして、とても危いと思っています。犠牲があっただけに、これまでを見直して、まずいところを変えていく機会にしなければいけないのに。

後ろ向きなことを書きつらねてしまいましたが、私はこの映画を見てとても励まされて、福島での原発事故が忘れられ始めている今、多くの人が見て励まされて、私たちが改めなければいけないたくさんのこと、できることについて今一度考える機会にならないかなと思うのです。

お時間ある人は『シェーナウの想い』見てみませんか?

P.S.
映画を解説された先生は「節電・リサイクル・発電」は今すぐにでもできるんだよとのこと。まったくその通りだ!