ヨーロッパの懐の広さ
今プロダクトとサービスをデザインしているプロジェクト Mobile Garden をイタリアのワークショップ Creative Camp Lombardia に招待してもらいました。昨日ワークショップが終わって、改めてヨーロッパのおもしろさを感じ、エントリーを書くことにしました :) (私も参加したかったのですが、急遽決まったことで、イタリアへ飛べず、ドイツチームに参加してもらいました。)
ITのメッカシリコンバレーがあるアメリカ、経済発展イケイケドンドンのアジアに注目が集ることが多いですが、ヨーロッパもおもしろいですよ。
ひょんなことからヨーロッパで作品を展示する機会があって、そのあと1年留学することになって(結局居心地よすぎてもっといてしまった … )、現地のスタートアップ関連の友人ができて交流が広がって、ヨーロッパはおもしろいなあ、すごいなあ、と。
何がすごいのかというと、タイトルにも買いた「懐の広さ」。「ITがハヤリだそら投資だ」「ユーザー数 N 百万人、うしし」みたいな直近の利益を越えて、文化や芸術、哲学のある製品やサービス、それを作ろうとしているキャリアはないけれどエネルギーと創造性はあるぞという人たちをもりあげていこうという気概があるんですね。といって、どこかの国のように芸術家は清貧であれというのでもなく、惜しみなく投資する。どかんと数千万円、数億というのではなく数万円、数十万円から。それでいいと思う。そんな金銭的な投資はもとより、イベントへの招待、ネットワークの提供、他のグループと協業する機会、展示の機会、アーティストインレジデンス、インキュベーションなどいろいろな支援があります。ヨーロッパの文化・芸術に深みがあるのがわかる気がします。# 私は日本の文化・芸術(特に古いもの、伝統的なもの)は大大大大大好きですが ;)
さらにすごいのが、一国の中だけではなく国境を越えて、こういう支援が提供されるところ。これは地続きだからってだけではなくて、ヨーロッパの歴史的背景があるんだろうな、なんて外国人の私は思うのです。あまりにも性格が異なる国の組織が集って何か一緒にするなんて一筋縄ではいかないだろうし、経済問題で混乱したりもするし、依然問題は山積しているけれど、過去の戦争を経て、同じことが起きないようにようにしよう、助けあおうっていう思想は素晴しい。ヨーロッパは United なわけではなくて、それぞれの国やそこに暮らす人たちが Union ていう形で個々の個性を持ちながらつながっていて、ワークショップも参加者がつながってシナジーを発揮するような形になっていて、これはアジア地域でも見習うべきことだと思う。
そんなこんなで、文化・芸術を盛り上げていこうという気概、国を越えた連携の二点はあまり他地域に見られないヨーロッパの懐の広さで、それを私は素晴しいと思う。
ヨーロッパおもしろいよ。特に芸術、デザイン、そんな分野でいろいろしてみたい人はヨーロッパに出かけてみてはいかがでしょうか。現地で勉強を始めたり(学費や生活費は都市にもよるけれど思っているより affordable です)、コンペに参加したり、そんなきっかけから友人の輪が広がって、制作の機会もぐっと広がると思います。