普段読まないジャンルに挑戦 京極夏彦 『巷説百物語』
『旅のラゴス』と共に持ってきていた今回の旅本、『巷説百物語』を読み終えました。京都を発つ直前に「おもしろいよー」と教えてもらい、購入。多分この人のおすすめでなかったら読まなかった(^^;
- 作者: 京極夏彦,FISCO
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2003/06/22
- メディア: 文庫
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荷物は軽くしておきたく、どこかで手放してしまう可能性が高いので(『旅のラゴス』はバルセロナの友人宅においてきました)、気に入った個所をメモしておきます。
私は江戸は京橋に住まう物書きで山岡百介と申します。諸国を歩き古今の怪談奇談を蒐集致しておる暇人に御座居ます。(p188)
「諸国を歩き」「暇人に御座居ます」いいですね。
娘人形を操るとする。操る松之輔は勿論娘ではない。しかし人形の方は紛うことなき娘の形をしている。ならば人形に欠けているのは、動く力だけなのである。娘としての魂はすでに形の方にある。そうなら、力を出しているのは松之輔だが、操っているのは人形の方だということになる。人形芝居は、人形を遣って大夫が芝居をするのではない。人形が芝居をするために、大夫が力を貸すだけなのだ。主役は人形の方なのである。(p220)
ロボットなんかにも言えることなのかもしれません。
尤も人の場合は恩を仇で返すってこともあるがな。動物や樹木はそんな道に外れたことはせん。(p392)
人…。
一瞬(ひととき)の夢と承知で惚れる承知で拘る、それが粋ってものじゃねェかい。(p456)
全くその通り。うむうむ。
印象に残った個所はこんなところかな。
「『巷説百物語』は二冊目(『続 巷説百物語』)からおもしろくなるよ〜」と教えてもらっているので、日本に帰ってから二冊目を読むのが楽しみです。
■ 余談: 本エントリで言及した本たち
- 作者: 筒井康隆
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1994/03/30
- メディア: 文庫
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- 作者: 京極夏彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2005/02/24
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