怒れない/怒らない、オーストリアの「ニコニコ、よーよー」は何かすごい

オーストリアに来て2ヶ月半、機嫌が悪そうな人を殆ど見ません。みんな「ニコニコ、よーよー」という感じで、自然とこっちもそうなります。昨日まで busy busy busy TOKYO にいたこともあり、今日改めて驚きました。

そんな話をちょっと。

日本からオーストリアに戻ってきて、ウィーン空港でスーツケースを待つも一向に出てこない。「ああ、これが所謂ロストバゲッジというやつか(´・ω・`) 」「日本の調味料入ってるんだけどなあ、、、あ、ACアダプタも大事だよ」とあれやこれや考えながら荷物担当の会社のカウンターに行くと、感じのよさそうな人が出てきました。ああ、オーストリアオーストリアだよ!

「どこから来たの?」
「羽田から乗ったのだけど、直近はシャルルドゴールで…」
「なるほど。どこのベルトコンベアー見てました?」
「N 番を見ていたのですが、出てきません orz」
「航空券見せて。あと、このフォームに名前と、住所と、電話番号書いてね」
「はーい」
「あ、ウィーン泊ですか?」
リンツに住んでます」

などなど。フォームを埋めている間、担当の人はパソコンで荷物番号を調べたり、電話して問い合わせたり。どうやら荷物は間違ったコンテナに乗ってしまったらしく、遅れて出てくるとのこと。「15分くらいでここに届くから待っていてもいいし、ベルトコンベアーを見に行って自分でとってきてもいいよ。(ニコニコ)」と言われて、取りに行くことに。

「見つけたら、あった!って言いに来てね(ニコニコ)」
「はーい」

あった!「荷物あったよ」と言いに行くと、「Tさん(何故か名前は日本語)荷物あった。よかったね!have a nice day. サヨナラ」、私「Danke. Bye」ニコニコ。何で笑ってるんだろう。まあいっか、荷物見つかってうれしいし。

何だろう、「ニコニコ、よーよー」なオーストリアじゃなかったら、ああもう!何分のロスなのよもう!とブチ切れていたかも…、うわ、そんな自分は心が何て狭いんだ!と。何でこの国はこんななんだろう、よくわからないけど、超絶ゆったりしていて「ニコニコ、よーよー」なオーストリアはすごいなあと改めて思うのでした。

そうそう、先月、高速列車が30分以上停まった時も、乗客はイライラしたり、怒ったりするわけでもなく、まだ着いていないのに「ウィーン西駅です」という間抜けなアナウンスに笑っているほど。東京だったらブチ切れる人続出、どんどん険悪な雰囲気になって、悪くもない駅員さんに当たる人まで出てきかねない(というか出てくる)シチュエーションです。私も飛行機の時間が心配だったけれど、まあ何とかなるかという気持ちになり、一緒に笑っていました。

そんなこんなのオーストリア。日本も、あげあげな成長期が終わった今、特にそれを悲観するでもなく、正確さや細やかさはそのままに適度に丸くなって、「ニコニコ、よーよー」になるといいなと思います。